はじめに
幾何分布の期待値を導出しました。
幾何分布の確率密度関数は次の通りです。
$$f(x)=p(1-p)^{x-1}$$
言葉で説明すると、「確率pの試行を続ける時、\(x\)回目に初めて成功する確率」です。
それでは導出をまとめます。
導出
\(E[x]=\sum\limits_{x=1}^\infty x\cdot p(1-p)^{x-1} \)
\(=p \sum\limits_{x=1}^\infty x (1-p)^{x-1} \cdots ①\)
(等差数列)×(等比数列)の形なので、両辺を公比\((1-p)\)倍して、
\((1-p)E[x]=p \sum\limits_{x=1}^\infty x (1-p)^x \cdots ②\)
①の\(x\)を\(x+1\)で置き換えて
\(E[x]=p \sum\limits_{x=0}^\infty (x+1) (1-p)^x \)
\(= p\)\(+p \sum\limits_{x=1}^\infty (x+1) (1-p)^x \cdots ①’\)
\(①’-②\)より、
\(pE[x]=p\)\(+ p \sum\limits_{x=1}^\infty (1-p)^x \)
\(E[x]= 1\)\(+ \sum\limits_{x=1}^\infty (1-p)^x \)
無限等比級数の和の公式を用いて、
\(E[x]= 1\)\(+ \frac{1-p}{1-(1-p)}\)
$$E[x]= \frac{1}{p}$$
ちなみに分散は、
$$V[x]=\frac{1-p}{p^2}$$
となりますが、期待値の時と同様に「公比倍して引く」というのを2回繰り返すと導出できます。
2回繰り返す必要がある理由は、\(\sum\)内に\(x^2(1-p)^x\)の形が出てきますが、1回だと\(x^1\)がまだ残ってしまうからです。
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