[1]
意外と大変な問題ですね。
\(f_k(y)\)に登場する\(\displaystyle e^{-y/2}\)に着目して、特に計算しやすい\(y=0,2,4\)の場合(\(y=1\)も計算してもよい)を計算して図示すると、
[2]
\(Y_1,Z\)の同時確率密度関数を\(g_{Y_1,Z}(y_1,z)\)とする。
ここで、
\( \left\{ \begin{align} &Y_1 =S \\ & Z = X\sqrt{S} \end{align} \right. \)
と変数変換すると、ヤコビアン\(||J||\)は\(||J|| = \sqrt{s}\)となるので、\(S,X\)の同時確率密度関数\(g_{X,S}(x,s) \)は、
\(g_{X,S}(x,s) = g_{Y_1,Z}(s,x\sqrt{s})\sqrt{s}\)
\(\displaystyle = \frac{1}{\sqrt{2\pi}}\frac{1}{\sqrt{s}}e^{-s/2}\frac{1}{\sqrt{2\pi}}e^{-(x\sqrt{s})^2/2}\sqrt{s}\)
\(\displaystyle = \frac{1}{2\pi}e^{-(1+x^2)s/2}\)
よって、\(X\)の確率密度関数は同時確率密度関数を\(s\)で積分して、
\(\displaystyle g(x) = \int^\infty _ 0 \frac{1}{2\pi}e^{-(1+x^2)s/2}ds\)
\(\displaystyle = \left[-\frac{1}{\pi(1+x^2)}e^{-(1+x^2)s/2}\right]^\infty _ 0\)
\(\displaystyle = \frac{1}{\pi(1+x^2)}\)
[3]
\(X=\tan W\)という変数変換を行うので、
\(\displaystyle h(w) = g(\tan w)\left|\frac{dx}{dw}\right|\)
\(\displaystyle = \frac{1}{\pi(1+\tan ^2 w)}\frac{1}{\cos ^2 w}\)\(\displaystyle = \frac{1}{\pi}\)
これは一様分布である。
[4]
[3]で\(W\)が一様分布に従うことが分かったので、\(U\to W \to X\)の順番で変換して\(X\)を生成することを考える。
一様分布の区間を揃えるように変換するには、\((U,W) = (0,-\pi/2),(1,\pi/2)\)から線形変換を考えて、
\(W = \pi U -\pi/2\)\(= \pi( U-1/2)\)とすればよい。
以上から、乱数\(U\)を用いて、\(X = \tan ( \pi( U-1/2))\)とすることで、乱数\(X\)を生成出来る。
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