[1]
\(\displaystyle F_A=\frac{S_{[1]}/1}{(S_{[3]}+S_{[5]}+S_{[6]})/3}\)(\(S_{[k]}\)は[k]列の平方和)
\(\displaystyle F_B=\frac{S_{[2]}/1}{(S_{[3]}+S_{[5]}+S_{[6]})/3}\)
を計算することでF値が求まる。
実験順序は、実験結果の変動が、因子Aか因子Bに依るものなのかを区別できるような順番で実験を行えば良い。
例えば、\(A_1B_1\)の2つを先にやり、\(A_2B_1\)の2つを後にやると、変動が因子Aに依るものなのか、実験順序に依るものなのか区別がつかなくなる。
このようなことを考えると順序2が適切。
ちなみに、計算したF値がどのような意味を持っているのか大まかに説明します。
各実験条件での実験結果を以下のような因子に分解します。
\(y_{ijkl}=\mu\)\(+A_i\)\(+B_j\)\(+C_k\)\(+D_l\)\(+\varepsilon_{ijkl}\)(ただし\(\varepsilon_{ijkl} \sim N(0,\sigma^2)\)は誤差項)
この問題で出てくる\(\bar{y}_{[1]1}\)は、因子Aに着目した場合で、
\(\bar{y}_{[1]1}=(y_{1111}\)\(+y_{1122}\)\(+y_{1212}\)\(+y_{1221})/4\)
\(=\mu+A_1\)\(+B\)\(+C\)\(+D\)\(+(\varepsilon_{1111}\)\(+\varepsilon_{1122}\)\(+\varepsilon_{1212}\)\(+\varepsilon_{1221})/4\)(B,C,Dの因子は\(\bar{y}_{[1]2}\)との引き算で相殺されるので単にB,C,Dと書いてます)
\(=\mu+A_1\)\(+B\)\(+C\)\(+D\)\(+\varepsilon_{1}\)(\(\varepsilon_1\sim N(0,\displaystyle \frac{\sigma^2}{4})\))
同様の計算をして、\(\bar{y}_{[1]2}\)との差の2乗は、
\((\bar{y}_{[1]1}-\bar{y}_{[1]2})^2=(A_1\)\(-A_2\)\(+\varepsilon_{1}\)\(-\varepsilon_{2})^2\)
因子に影響がないということを帰無仮説\(A_1,A_2=0\)として検定をするので\(A_1,A_2\)は無視して\(\varepsilon_{1}\)\(-\varepsilon_{2}\)のみを考えると、\(\varepsilon_{1}\)\(-\varepsilon_{2}\sim N(0,\displaystyle \frac{\sigma^2}{2})\)に従います。
よって、\( \displaystyle \left(\frac{\varepsilon_1-\varepsilon_2}{\sigma^2/ \sqrt{2}}\right)^2\sim \chi^2(1)\)
誤差項も同様に計算をして、F値で因子Aの検定をすることが出来ます。
\(\displaystyle S_A=(\bar{y}_{[1]1}-\bar{y}_{[1]2})^2\)\(\displaystyle ,S_E=(\bar{y}_{[3]1}-\bar{y}_{[3]2})^2\)\(+(\bar{y}_{[5]1}-\bar{y}_{[5]2})^2\)\(+(\bar{y}_{[7]1}-\bar{y}_{[7]2})^2\)として、
\(F=\displaystyle \frac{S_A/1}{S_E/3}\)
で因子Aは実験結果に影響を与えるか検定を出来ます。
[2]
成分記号から判断して列\([3]\)が\(A\times B\)に割り当てられていると分かるので、平方和を\(S_{[k]}\)として、
\(\displaystyle F=\frac{S_{[3]}/1}{(S_{[5]}+S_{[6]})/2}\)
で計算出来る。
[3]
\(A,B,C,D\)の因子が割り当てられている列だけ取り出すと、
No. | A | B | C | D | 順序1 | 順序4 |
1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 8 | 3 |
2 | 1 | 2 | 2 | 2 | 7 | 4 |
3 | 2 | 1 | 1 | 2 | 6 | 8 |
4 | 2 | 2 | 2 | 1 | 5 | 7 |
5 | 1 | 1 | 2 | 2 | 4 | 1 |
6 | 1 | 2 | 1 | 1 | 3 | 2 |
7 | 2 | 1 | 2 | 1 | 2 | 5 |
8 | 2 | 2 | 1 | 2 | 1 | 6 |
1次単位は連続して実験を行う必要があるので、順序2と順序3は適さない。
順序4だと1次因子が1→1→2→2の順番で実験を行うことになり、実験順序とA因子が交絡すると考え、順序1が正しいと思いましたが、正解は順序4のようです。
分かりません。
[4]
公式の解答を参照。
[5]
表1の成分記号を、b→a、c→bに置き換えて、この成分記号をもとに[5]で与えられた表に交互作用を書き加えると、
No. | [1] | [2] | [3] | [4] | [5] | [6] | [7] |
因子 | ? | A | A×? | B | C | A×B | D |
平方和 | 2 | 5 | 2 | 4 | 1 | 1 | 1 |
1次誤差は2次因子を含まないものの内、1次因子の主因子以外のもので、[1],[3]列に相当する。
2次誤差は1次誤差、1次因子以外の内、2次因子の主因子以外のもので、[6]列に相当する。
よって、
\(\displaystyle F_A=\frac{S_{[2]}/1}{(S_{[1]}+S_{[3]})/2}\)
\(\displaystyle F_X=\frac{S_{[x]}/1}{S_{[6]}/1}\)(\(X=B,C,D\)で\(x\)は\(X\)の列番号\(x=4,5,7\))
で計算出来る。
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