[1]
感度は、
\(P(+|T)=P(X_T > c)\)
\(\displaystyle =P\left(\frac{X_T-\mu_T}{\sigma}>\frac{c-\mu_T}{\sigma}\right)\)
\(\displaystyle =1-\phi \left(\frac{c-\mu_T}{\sigma}\right)\)(\(\phi(\cdot)\)は標準正規分布の累積分布関数)
特異度は、
\(P(-|F)=P(X_F \leq c)\)
\(\displaystyle =P\left(\frac{X_F-\mu_F}{\sigma}\leq\frac{c-\mu_F}{\sigma}\right)\)
\(\displaystyle =\phi \left(\frac{c-\mu_F}{\sigma}\right)\)
で計算出来る。
[2]
条件付き確率の計算により、陽性的中率は、
\(\displaystyle P(T|+)=\frac{P(T \cap +)}{P(+)}\)(\(P(T \cap +)\)は母集団全体から適当に1人を選んだ時に疫病に感染していて陽性になる確率)
\(\displaystyle =\frac{P(+|T)P(T)}{P(+ \cap T)+P(+ \cap F)}\)
\(\displaystyle =\frac{P(+|T)P(T)}{P(+ | T)P(T)+P(+ | F)P(F)}\)
\(\displaystyle =\frac{P(+|T)p}{P(+ | T)p+(1-P(- | F))(1-p)}\)
陰性的中率は、陽性的中率の記号をそれぞれ入れ替えて、
\(\displaystyle P(F|-)\)\(\displaystyle =\frac{P(-|F)(1-p)}{P(- | F)(1-p)+(1-P(+ | T))p}\)
これらと[1]の結果から計算出来る。
[3]
感度が\(0.95\)なので、
\(P(+|T)\displaystyle =1-\phi \left(\frac{c-\mu_T}{\sigma}\right)\)\(=0.95\)
\(c=\displaystyle \mu_T +\phi^{-1}(0.05)\sigma \)(\(\phi^{-1}(\cdot)\)は標準正規分布の累積分布関数の逆関数)
この\(c\)を\(c_0\)とすると、この時の特異度は\(\displaystyle \phi \left(\frac{c_0-\mu_F}{\sigma}\right)\)で計算出来る。
[4]
感度も特異度も\(0.95\)なので、
\(\displaystyle 1-\phi \left(\frac{c-\mu_T}{\sigma}\right)=0.95\)\( , \displaystyle \phi \left(\frac{c-\mu_F}{\sigma}\right)=0.95\)
それぞれ解くと、
\(c=\displaystyle \mu_T +\phi^{-1}(0.05)\sigma\)\(,\displaystyle c=\mu_F + \phi^{-1}(0.95)\sigma\)
右辺同士、左辺同士を足して2で割ると、
\(\displaystyle c=\frac{\mu_T+\mu_F}{2}\)(\(\phi^{-1}(0.05)\)と\(\phi^{-1}(0.95)\)は絶対値が同じで符号が逆である)
求めた\(c\)を\(\displaystyle c=\mu_F + \phi^{-1}(0.95)\sigma\)に代入して、
\(\displaystyle \sigma=\frac{\mu_T-\mu_F}{2\phi^{-1}(0.95)}\)
で計算出来る。
[5]
感度が1ということは、検査で陽性だと判定する条件が緩くなっているということが考えられる。本問で言うと、\(c\)の値が低く設定されていると考えられる。この時の問題点は、疫病に罹っていない人が陽性の判定を受ける場合が多くなり、医療費の問題や医療施設のひっ迫の問題が起こる可能性がある。よって有効だと結論付けることは出来ない。
一応、表を使うとどのような考え方をするのか書いておきます。
問題文より、\(P(+|T)\approx 1, P(F|-) \approx 1\)なので、人数は下のような感じになると思います。ただし、\(X\)は未知です。
\(X\)が大きい場合、偽陽性率\(P(+|F)\)が大きくなるため、この検査法は有効だと結論付けることは出来ません。
感染 | |||
\(T\) | \(F\) | ||
検査 | \(+\) | \(100N\) 人 | \(X\) 人 |
\(-\) | \(N\) 人 | \(100N\) 人 |
別の書き方は、公式の解答を参照。
[5]は正直どのような書き方をすれば正解なのかよく分かりませんでした。
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