はじめに
2変数の確率密度関数の変数変換についてまとめます。
導出
まず、確率変数\(X,Y\)の確率密度関数が\(f_{XY}(x,y)\)だとします。
すると確率密度関数の定義から、以下のような式が成り立ちます。
\(\displaystyle \int_{-\infty}^\infty \int_{-\infty}^\infty f_{XY}(x,y)dxdy=1\)
ここで、\(x,y\)を次のような式で変数変換したいと思います。
\(\left\{ \begin{array}\, x=g_1(u,v) \\ y=g_2(u,v) \end{array}\right.\)
\(dxdy\)を\(u,v\)で書き換えるための計算をしていきます。
\(dx,dy\)は下のように表されます。
\(\left\{ \begin{array}\, \displaystyle d\boldsymbol{x}=\frac{\partial g_1}{\partial u}d\boldsymbol{u}+ \frac{\partial g_1}{\partial v}d\boldsymbol{v} \\ \displaystyle d\boldsymbol{y}=\frac{\partial g_2}{\partial u}d\boldsymbol{u}+ \frac{\partial g_2}{\partial v}d\boldsymbol{v} \end{array}\right.\)
この変形は以下のサイトを参考にしました。
また、面積(\(dxdy\))を考える際に、外積を使うため、ベクトル(太字)を導入しました。
例えば\(d\boldsymbol{x}=(dx,0)\)を表しています。
\(d\boldsymbol{x}\times d\boldsymbol{y}\)
\(=\left(\displaystyle \frac{\partial g_1}{\partial u}d\boldsymbol{u}+ \frac{\partial g_1}{\partial v}d\boldsymbol{v} \right)\)\(\times \left( \displaystyle \frac{\partial g_2}{\partial u}d\boldsymbol{u}+ \frac{\partial g_2}{\partial v}d\boldsymbol{v} \right) \)
\(=\left( \displaystyle \frac{\partial g_1}{\partial u} \frac{\partial g_2}{\partial v} – \frac{\partial g_1}{\partial v} \frac{\partial g_2}{\partial u} \right)\)\( d\boldsymbol{u} \times d\boldsymbol{v} \)
この括弧内がヤコビアン\(|J|\)と呼ばれる部分です。
積分の\(dxdy\)は正数の積として使われているので、上の式の両辺に絶対値をとると、
\(dxdy\)\(=||J||dudv\)
よって積分計算で変数変換をすると
\( \displaystyle \int_{-\infty}^\infty \int_{-\infty}^\infty f_{XY}(x,y)dxdy \)
\(= \displaystyle \int_{-\infty}^\infty \int_{-\infty}^\infty f_{XY}(g_1(u,v),g_2(u,v))||J||dudv \)
よって、\(U,V\)の確率密度関数\(f_{UV}(u,v)\)は下のように書けました。
$$ f_{UV}(u,v) = f_{XY}(g_1(u,v),g_2(u,v))||J|| $$
まとめ
2変数の確率密度関数を変数変換して、変換後の確率密度関数を求めることが出来ました。
変数変換をして積分範囲が変わることを考えていないなど、数学的な厳密さに欠けるところはご了承ください。
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