ワイブル分布の\(m\)次モーメントと期待値

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はじめに

ワイブル分布の\(m\)次モーメントを導出して、期待値を計算したのでまとめます。

ワイブル分布の確率密度関数は色々な表し方がありますが、今回は一番シンプルだと思われる以下の式で\(m\)次モーメントと期待値を計算しようと思います。

ワイブル分布

$$\displaystyle f(t)=ct^be^{-\frac{c}{b+1}t^{b+1}}$$

ただし\(b,c>0\)で\(t \geq 0\)

ワイブル分布の\(m\)次モーメント

\(m\)次モーメント\(E[T^m]\)

\(\displaystyle =\int^\infty_0 t^m ct^be^{-\frac{c}{b+1}t^{b+1}}dt\)

\(\displaystyle =\int^\infty_0 ct^{b+m}e^{-\frac{c}{b+1}t^{b+1}}dt\)

最近ガンマ関数の勉強をしたばかりなのでガンマ関数に形が似ていることに気づきました。

ガンマ関数は以下の形で表される式です。

\(\displaystyle \Gamma(\alpha)=\int^\infty_0 x^{\alpha-1}e^{-x}dx\)

\(e\)の指数部分に着目して\(m\)次モーメントの式を置換積分していきます。

\(\displaystyle \frac{c}{b+1}t^{b+1}=u\)と置き換えると、

\(\displaystyle t=\left(\frac{b+1}{c}u \right)^{\frac{1}{b+1}}\)となるので

\(\displaystyle dt=\frac{1}{c}\left(\frac{b+1}{c}u\right)^{\frac{1}{b+1}-1}du\)

以上より置換積分を行うと、

\(\displaystyle \int^\infty_0 ct^{b+m}e^{-\frac{c}{b+1}t^{b+1}}dt\)

\(\displaystyle =\int^\infty_0 c \left(\frac{b+1}{c}u \right) ^{\frac{b+m}{b+1}}e^{-u}\)\(\displaystyle \frac{1}{c}\left(\frac{b+1}{c}u\right)^{\frac{1}{b+1}-1}du \)

\(\displaystyle =\int^\infty_0 \left(\frac{b+1}{c}u \right) ^{\frac{m}{b+1}}e^{-u} du \)

\(\displaystyle = \left(\frac{b+1}{c} \right) ^{\frac{m}{b+1}} \int^\infty_0 u ^{\frac{m}{b+1}}e^{-u} du \)

\(\displaystyle = \left(\frac{b+1}{c} \right) ^{\frac{m}{b+1}} \Gamma \left(\frac{m}{b+1}+1\right)\)

ワイブル分布の期待値

ワイブル分布の期待値は、上で求めた\(m\)次モーメントの式で\(m=1\)として、

\(E[T]\)

\(\displaystyle = \left(\frac{b+1}{c} \right) ^{\frac{1}{b+1}} \Gamma \left(\frac{1}{b+1}+1\right)\)

まとめ

ワイブル分布の\(m\)次モーメントと期待値を導出することが出来ました。期待値の計算と同様に分散も計算出来ますが今回は省略しました。

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